テレビ東京で、2021年12月23日(22:00~)に放送された【WBS】(ワールドビジネスサテライト)の番組で、いよいよ日本でも車の自動運転「レベル4」実用化へ向けて、警視庁が許可制度を創設する方針を固めたと報道されました。
日本も近い将来「無人運転車」が公道を走るようになるかも知れないと、気になったのでまとめてみました。
警視庁は「レベル4」の自動運転車を使うための許可制度を創設する方針を固める
2021年12月23日に警視庁は、改正道路交通法案の原案に「レベル4」の許可制度について盛り込まれたことを発表しました。
2022年の春に、道路交通法改正案を通常国会に提出する予定!
国土交通省自動車局「自動運転車の安全技術ガイドライン」はこちら
自動運転の「レベル」とは何?
自動運転の「レベル」とは、「0~5」の6段階で定義される【自動運転の度合い】を示す数値のこと。
以下に、国土交通省の資料「自動運転のレベルの分け方」を紹介しますね。
(出典:国土交通省「自動運転のレベル分けについて」)
「レベル0」:運転の自動化はゼロ
自動運転「レベル0」は、自動運転技術がまったく使われていない車を運転している状態。
運転を支援するシステム(ADAS)の搭載はなく、ひと昔前の車の運転の状態です。
「レベル1」:運転の支援
自動運転「レベル1」の自動車には、運転を支援するシステムが搭載されています。
例えば、アダプティブクルーズコントロールを備えている車は、前方を走る車に追従する機能が自動化され、レーンキープコントロールのある車は、車線内走行の維持を支援する機能が自動化されています。
これらの機能を有する自動車が「レベル1」に該当。
ちなみに、愛車マツダ3は、この「レベル1」を搭載しています。
「レベル2」:部分運転の自動化【ハンズオフが可能】
自動運転「レベル2」では、ハンドルから手を離す【ハンズオフ】の状態で走行が可能。
システムが縦方向と横方向両方の運動を制御して、システムによる加速と減速、操舵の自動化ができる状態。
日本では日産の「Pro PILOT 2.0」(プロパイロット)が代表的なシステム。
現在の道路交通法では、高速道路走行時などの一定の条件を満たせば、ドライバーはハンドルから手を離すことが可能。
「レベル2」の自動車は国内メーカー各社から市販されています。
「レベル3」:条件付運転の自動化【アイズオフが可能】
自動運転「レベル3」になると、ハンドルだけでなく視線も運転に集中しなくてよい【アイズオフ】が可能。ただしアイズオフは一定の条件下のみで、すべての状況でできるわけではない。
2021年3月発売のホンダの新型レジェンドは、日本初の自動運転「レベル3」を実現。
この技術では、ウインカーを操作するだけで車線の変更が可能となり、また、高速道路が渋滞している時にはシステムが周囲の監視や運転操作を行うことが可能。
つまり、自動運転中に、ナビ画面の操作や映画を見ることも出来るのです。
これはかなり凄いことで、長距離ドライブでもかなり疲労の軽減につながりますね。
現在の日本では新型レジェンドをはじめ、「レベル3」の自動車も量産化が可能な状態となりつつあります。
「レベル4」:高度運転の自動化【ブレインオフが可能】
自動運転「レベル4」では、ほぼ完全な自動運転が可能。
限定領域下においてシステムがすべての運転操作を自動で行い、ドライバー不在でも自動車が走行可能。
「レベル4」では、【ハンズオフ】、【アイズオフ】に加えて、運転者が何も考えなくとも走行できることから、「レベル4」以降の自動走行の状態は【ブレインオフ】と呼ばれています。
「レベル5」:運転の完全自動化
自動運転「レベル5」では、完全な自動運転が可能。
高速道路や一般道路など道路の種類に関係なく、どのような状況でも【ブレインオフ】な自動運転が可能。
例えば、自動運転「レベル5」の車では、自宅からはるか離れた目的地まで、一切運転操作を気にすることなく、車内でゆったりと過ごすことができることを意味します。
ただし、現在の技術ではまだまだ実現は難しい段階で、今後のセンサーやAI技術の進歩によって実現できるのではと期待されています。
自動運転で事故を起こした時、誰の責任?
これだけ便利な自動運転ですが、自動運転中に事故を起こした場合、誰の責任になるか気になるところです。
「レベル0~2」は人間が主に運転する状態になるため、事故等の責任は運転者。
「レベル3~5」まではシステムが主に運転を行うことから、事故等の責任はシステム。
政府は2025年をメドに自動運転レベル4を実現する目標を掲げているが、実現にあたっては法律やルールの整備・策定が必要不可欠。
車の自動運転「レベル4」実用化は2022年度中
自動運転「レベル4」とは、原則的に人が乗らなくても良いレベルなため、レベル4は「特定の条件下で運転を完全自動化するもの」で、運転者不足や高齢者の移動手段といった課題を解決することになるかもしれない。
日本では、過疎地での無人の巡回バスに使うことを想定しています。
実現は、2022年度中とのこと。
世界の自動運転「レベル4」の事例
世界でも現在自動運転「レベル4」が広がっています。
アメリカや中国は、「レベル4」を実現化し、ドイツは法案が可決!
アメリカ・アリゾナ州のフェニックス
ウェイモ社が、2020年から無人自動運転タクシーをすでに商用化しています。
中国・北京
バイドゥ社が、2021年11月より有料で自動運転タクシーサービスを開始。
ドイツ
2021年5月より公道で走行可能な法案を可決。
日本は自動運転に遅れている!その理由は?
日本が自動運転に遅れている理由は、道路が狭くて、初期の段階で自動運転を導入するのはなかなか難しい状態。
ただし、トラックについては、2025年に高速道路で自動運転を実施する準備を進めている。
自動運転に向けて技術的な課題とは?
自動運転に向けて技術的な課題とは、センサーで周辺の状況を察知して車の運転を制御する。
そのための5Gの普及や、サイバーセキュリティーをきちんと備えることが課題。
ちなみに、5Gとは「高速大容量」「高信頼・低遅延通信」「多数同時接続」が可能な通信システムのこと。
【WBS】車の自動運転「レベル4」実用化へ!まとめ
私はこのニュースを見て、国内でも近い将来自動運転の車が、高速道路や街中を走るようになる時代がくると確信しました。
現在、愛車のマツダ3は、「レベル1」でアダプティブクルーズコントロールやレーンキープコントロールの機能がついています。
約1000㎞の高速道路を、11時間程かけて、長距離ドライブをした時、「レベル1」の車であっても、前方を走る車に追従する機能や車線内走行の維持を支援する機能があるため、疲れをほとんど感じませんでした。
ただし、ハンドルから両手を離すと警告音がなるのでハンズオフとはいきません。
レベル4の実用化への取り組みに期待しています!
【WBS】の他の記事もあるので良かったどうぞ。
コメント